三之助 スーパー100歳は人生の達人!

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  • Опубликовано: 26 дек 2016
  • ナレーション「今年、平成23年に行われた調査によると、全国には、100歳以上の高齢者の方が、およそ48,000人いらっしゃるそうです。現在、品川区内にお暮らしの100歳以上の方は、143人。今日は、そんなご長寿の皆さんの中から100歳をむかえられたばかりの、福岡慶一さんをご紹介いたします」
    三之助 「私は、噺家という商売柄、高齢者の皆さんと触れ合う機会が多いんですね、そういう、年長者の方と言うのは、何かにつけてモノを教わる機会というのが多いので、私もその御縁を大切にしております。今日は、現役バリバリの100歳、いわばスーパー100歳の方にお目に掛れるということで、私も楽しみにしてやってまいりました。早速、ご自宅に伺ってみようと思います」
    三之助 「早速伺いまして、ご紹介いたしましょう。福岡慶一さんと、奥様のヱイさんでございます。今日はお邪魔しまして、ありがとうございます」
    三之助「今日はですね、数字をいくつか挙げながら、キーワードにしてお話をうかがうんですがね。まず一つめ、こちら72年って書いてあるんです。ちょっと剥がしてみますね。はい、結婚生活、72年」
    福岡さん「昭和14年でしたからね」
    三之助「お生まれになったのは何年ですか」
    福岡さん「1911年、明治44年です」
    三之助「いまなかなか明治生まれの方にお目にかかる機会ってないんでね」
    福岡さん「明治は遠くなりにけりってね」
    三之助「そうですよ、そういう言葉があるくらいでね」
    ナレーション「東京大学の工学部を卒業した慶一さんは、大手鉱山会社に就職。戦争中、仕事で海外へ行くこともあった福岡さんご家族は、終戦を現在の北朝鮮の地でむかえました」
    福岡さん「戦争が終わって、帰るのに、責任者は残れと。そのうち38度線っていうのが出来て、帰ることが出来なくなったんですけども、38度線っていうのは国境ですからね。ソ連から最初は鉄砲でポンポン撃たれたりなんかして、捕まって司令部連れてかれ、一晩そこに置かれて、明くる日、また逃げて成功して帰ってきたという出来事があるんですけど、そういう問題があったことが、一番今までの私の人生の中で印象深く残っておりますね」
    三之助「それは、今こちらに皆さんいらっしゃるように、一緒に何とかここへ帰ってきたということですよね」
    福岡さん「そうです。長女は四つくらいの時かな」
    長女「覚えがありますよ」
    三之助「ああ、じゃあ微かにね」
    長女「母に手をひかれて、暗い道をですね、風景がやっぱりところどころ、いまだに頭にありますね」
    三之助「妹さんは」
    長女「まだ産まれたばかりで」
    三之助「生まれたばかり。生まれたばかりの子を抱えてね、ということもあるわけですよ」
    福岡さん「私は上のやつをおんぶして、家内の手を引いて、田んぼの中を走って、ところがね、夢の中で走れないのと一緒で、走ってるつもりが中々走れない。向こうの山まで辿り着こうと思っても辿り着けない。映画にでもなりそうなシーンですよ」
    ナレーション「戦後は、主に海外で鉱山を開発する仕事に携わった慶一さん。当時のパスポートには、慶一さんが世界中を飛び回った形跡が残されています。まさに、日本の高度経済成長期を支えた、スーパーサラリーマンだったわけですな」
    ナレーション「そんな多忙な慶一さんを支え続けたのが、奥さまのヱイさん。90歳を迎えたばかりのエイさんですが、実は、ファッション雑誌の読者モデルを、およそ10年間、務められたこともあるそうです」
    三之助「ああ似てる。似てるって本人だからね。どうですか、いまご覧になって」
    福岡ヱイさん「いやぁ、別に懐かしいとも思いませんけども、まぁようやったもんだと」
    次女「これ池田山公園ですよ」
    三之助「そこの」
    次女「はい」
    三之助「あれ、ヱイコさんってこういう字を書いたの」
    次女「芸名です」
    三之助「なるほどね。これ素人モデルとは思えないくらい自然な表情でね」
    三之助「続いての数字いってみましょう。じゃん、60ですかこれ」
    福岡さん「私のゴルフのハーフの数字かな」
    三之助「じゃあ開けてみましょうか、じゃん、おぉ本当だ。ゴルフのハーフスコア」
    三之助「これは今のスコア」
    福岡さん「今のスコア。ハーフで60なんていったら恥ずかしくて言えないですよ」
    三之助「そうですか。でもお好きなんでしょ」
    福岡さん「まあね」
    三之助「いまでもちょいちょいコースに出てらっしゃるとか」
    福岡さん「出てますよ」
    ナレーション「今も、定期的にゴルフをされる慶一さん。ゴルフ場へは、通常、電車を乗り継ぎ、片道1時間以上もかけて、お一人で行かれると、言いますからいやぁ、頭が下がる思いです」
    福岡さん「他のこと忘れちゃう。全てね。ショットのことだけ考えてね、他のこと一切忘れてしまうのが良いんですね」
    福岡さん「いまの目標は、エージシュートをやることです。100歳だからね、100で周る。
    それは不可能なんだけどね」
    ナレーション「御歳100歳。福岡慶一さんのスーパープレイをご覧いただきましょう」
    ギャラリー「ナイスパット」
    仲間「ギャラリーがいると強い。ギャラリーいるほど良いショットを打てる」
    仲間「あれが実力ですよ」
    仲間「スコアを自分で申告なさるじゃないですか、これが極めて正確。話題が豊富。こういう方はいらっしゃいませんよ」
    ナレーション「ちなみに申し上げますと、ゴルフのお仲間はかつての同僚の息子さんたちで御座いました」
    三之助「慶一さんは今でも会社へね、出勤なさるって聞いたんですよ」
    福岡さん「仕事とかね、経営のこととか関係なくて、来てもらうだけで、若い者が、100歳の老人が元気でやっとるというのを若い者に見せてもらえばそれで良いんですと、そういう社長でね。私も暇で困る様なときは、あるいは、若い者と話したいときは、ひょろひょろと出かけて行って、そして話してくると」
    三之助「何かこう自分は100歳であるんだけども、これだけ元気だとか、こういうことも出来るんだっていうことも、ことさら意識していないっていうんですか」
    福岡さん「まぁ、こだわらないんですよね、物事に。こだわらないし、全てすぐ忘れてしまうし、なるべくね、悪いことは忘れてしまうという具合で。あまりクヨクヨしないようにしておりますがね」
    三之助「100歳でございます。お元気であろうことはもう承知しておりましたけれどもね、お話し伺って私は、長生きもそうですけど、良く生きるということを、もういっぺん考える良い切欠になりました。皆さんも明日からの朝の一歩が昨日までとちょっと違う、そんな一歩になってくれたら嬉しいなぁと思っております。さて、次回のとっておきの品川どうぞお楽しみに」

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